− 社会的背景とビジョン −

「しなやかさ」を取り戻す伴走者

季節が常に移ろうように、人の一生も組織の一生も波あり山あり谷あり。
万物は揺らぎながら生きているということを、現代人はときに忘れかけているようにも見えたりします。

効率化と論理を偏重するあまり、「しなやかさ」を置き去りにしてはいないでしょうか。
置き去りにしてしまうと、移ろいの中でうまくいかない感覚が生じるはずです。
堂々巡り感・停滞感・違和感・ままならなさ・凝り・思考停止感。
これらの「とどこおり」を一掃し、再びその「しなやかさ」を取り戻そうと感じたとき、
そこに伴走できる私達でありたい。

私達ROOTS SPIRAL Inc.に出来ることは、「しなやかさ」を取り戻すときの伴走者であると考えています。

「しなやかさ」は過渡期の強いバネとなる

ROOTS SPIRAL Inc. という名前には、ROOTS(軸)を持ちながらも、
しなやかにSPIRAL(螺旋)を描きながら人や組織が育つイメージを屋号に込めました。

人や組織の課題は、シンプル且つ短絡的な方程式では解けないものです。
複雑に絡み合って起こる現象があり、そこから単純に逆算して解決策を探すだけでは、
一見解決したように見えて他の要素が水面化でうまく立ち行かなくなっており、
次から次へと課題が入れ替わっているだけというケースが少なくありません。
つまり、根本解決にはなっていないわけですよね。

例えば組織内や社会で「この人が悪いから、居なくなれば上手くいく」
「この構造が悪いから、変化は難しい」などという話が出てきたりすることは珍しくありませんが、
大抵、そこを変化させた後も課題は生じ続けるという現象を目の当たりにしたこと、あなたもありませんか。

なぜ、人や組織は年がら年中課題解決ばかりし続けているのでしょうか。
そうした連鎖を断ち切るボトルネックはどこにあるのでしょうか。
または、そもそも課題を切り出す捉え方自体が違うのでしょうか。
どうすれば、この視座を転換できるのでしょうか。
そんな問いを持ったことはありませんか。

そろそろ目の前の壁や課題をマイナスと捉えることをやめ、進むためのヒントと置き換え、
プラスのサイン(必要善)と考えてみても良いのかもしれません。

過渡期の時代、変化の時代と言われる今ですが、変化を強制する世界観にもまた、どこかイビツさを感じています。
外部から強要される変化は、時代に必要とされる「変化耐性」を育てるようで実は逆効果。
人の内側と外側との歪みを生じさせ、素直に主体的に動くことができない人々を増やす流れを創り出してしまいます。

過去の歴史がそれを物語っています。近代化は時に機械的に工業化を推進し、人々も効率的に生産性や利益を増やせるような在り方を是として仕組みを構築してきました。
暮らしが便利になる一方で、その非効率性や不便性を徹底的に排除する姿勢と過程は、
その仕組みに馴染まない人々を社会から排除し、
人間の多様性への配慮や理解を軽視するベクトルを助長したとも言えるのではないでしょうか。

ところが、そうした一辺倒なベクトルのまま、
これからの社会を形成することはデメリットがかなり大きい点も同時に気付いていかなければならない。
何かだけを偏重し、突き進もうとすると、どこかで誰かが不幸になり、苦しみ、息苦しい社会となります。
その最たる例が戦争とも言えるでしょう。

自己や所属する組織の利益のみにしか目がいっていない場合、この近視眼的現象は、常に世の中で起こっています。
変化や改革といった言葉を使い、社会的なアップデートを実施するときこそ、その変化や改革を多角的に眺めながら少しずつ調整しなめらかに螺旋状に移行していくイメージがあると現実の捉え方がこれまでとは異なる「しなやかさ」のある眼差しへと軽やかにシフトしていきます。

だからこそ、それは時代の転換期・過渡期における圧倒的に強いバネとなり、
あなたやあなたの組織を支える鍵となる。私達はそう信じています。

「しなやかさ」は創造と共創の時代の土台

誰かだけが幸せで良かった時代は、終わりつつあります。
今後は、新しいスタンダードを共に互いの創造性を発揮しながら創っていく時代。
資本主義経済は競争化社会を加速させましたが、いまや競争し、蹴落としあっている場合ではないのです。
どれだけ本来の好奇心と創造力を各々が取り戻し、その個々のパワーを活かし合い、
シナジーを生み出せるのかによって私達の未来の運命が決まっていく。

その自覚をもって、発想を転換して生きていく「共創」の時代。
これまでシステム的に排除してきた価値を再度掘り起こし、個々人が生み出す多様な創造性を引き出し、
それらを潰し合う社会システムではなく、活かし合う社会システムへとパラダイムシフトしていく必要があると思うのです。

だからこそ、これからは内なる各々の中にある好奇心や創造力を素直に原動力に出来る素地を整え、
気づいたら自然と自発的に変化しているような
「しなやかさ」のあるアプローチが有効かつ美しい土台となると言えるでしょう。
多様な価値観や創造性のベクトルを活かし合いたいと願うとき、必ずや直面するのが、価値や理念や信念が対立ですが、
そんな時に一番効果を発揮するのがこの「しなやかさ」という武器だと考えています。
互いの大切にする価値観や信念を曲げながら合わせるのではなく、尊重しながらもその延長戦上に都度、
最適解を見出していく。

時には、固執するスタンスを手放し合い、揺らぎながら、自他の多面的な側面を受容しながら、
矛盾を内包して物事を進めていくこと。結果として進化した新しい価値を生み出すこと。
そうした社会全体の姿勢こそ、 ROOTS SPIRAL Inc.が目指す「しなやかさ」ある共創社会です。

− 個人的背景とビジョン −

多様性というテーマは、人財育成や教育に長年携わる中で、常に頭の中にありました。
丁寧にひとりの人間と向き合う仕事を通じて一人として同じ人間はおらず、
一人一人が向き合う葛藤や壁もまたそれぞれ違うものなのだと感じる度に
十把一絡げに語られる違和感やそこで無いものとして社会的に捨て置かれてしまう存在へと目線が向いていきました。

生まれてからこれまで、疎外感を一度も感じず生きてこれた日本人は果たしているのでしょうか。
そう感じるほど、悩みながら生きている人が多いのです。
同調圧力を感じる環境が多い中、そこに窮屈さを感じる人達の支援にも多々関わってきましたし、
私自身も、そうした風潮に生きづらさを感じる瞬間も少なくはありませんでした。
ステレオタイプなカテゴライズを押し付けられることへの違和感も一度や二度ではありませんでした。

だからこそ感じることは、「言語化できないマイノリティ性は全ての人がもっている」という点。
もっと素直にいられたらいいのに、と分かっていながらもその内なる本来の自分を解放できないまま生きている日本人の多さは社会課題だと感じてきました。

ずっとずっと、この社会課題の解決の糸口を探しながら生きてきたのです。
子連れ世界一周を通じての寛容な他民族国家の教育視察。家族との関わりから見えてきた寛容な組織の鍵。
こうしたアクションも、その一環でした。

活動の中で何度も風穴となる気付きを得る機会が多くあった為、この「しなやかさ」を体現すること、
そして、それを多くの人達へと伝えていくこと、これが自分自身の使命なのだと感じるようになっていきました。

そんな想いを具現化させたものが今のROOTS SPIRAL Inc.の事業となっています。
ご縁があった皆様に、少しでもその「しなやかさ」をお裾分けできたら幸いと感じております。

ROOTS SPIRAL Inc.代表 齊藤寛子